2014年1月28日火曜日

2703、金尚均さん

kurochan@PC
◆第48回県外教学習会。高校生の作文朗読に励まされる思いをした後、龍谷大学法科大学院教授の金尚均教授による「ヘイト・スピーチと人が『傷つく』こと−人種差別撤廃条約に関連して−」と題した講演でした。難しい法律の話を平易な言葉、身近な例え、良く通る声で、明解に整理してお話しされたのですが、その内容についてポイントだけ簡単に記します。ヘイトスピーチに関して、3つの事を話されました。1つめは、在日朝鮮人として幼い頃の被差別の記憶が再現されたことによる落胆。2つめは、襲撃された朝鮮学校に通わせていた子どもさんのアイデンティティ形成が傷つけられた憤り。3つめは、法学者として、ヘイトスピーチをどうみるべきか。3つ目について特に詳しく語られたのですが、ヘイトスピーチ規制を「表現の自由」と対立するものとして捉えるのではなく、法の下の平等に照らして捉えるべきと話されました。特定個人・特定団体への誹謗中傷は「名誉毀損罪」「侮辱罪」となりますが、不特定者に対する属性批判も、被害者がいないとは言えず、むしろ
攻撃された属性を有するすべての人を傷つけ貶めることになります。部落差別をもとにした結婚差別が、
特定個人の問題としてではなく、出自・門地という属性を貶める悪質さで批判されるべきであるように、ヘイトスピーチは、特定個人への攻撃としてではなく、法の下の平等を侵す属性攻撃として捉えるべきというわけです。「人権」というものをどうとらえるかについても、個々の人権というタテの見方だけではなく、属性というヨコの見方をするべきだという見方に、大変惹かれました。こう書くと、堅い話になるんですが、マイノリティでもある金さんの思いと冷静な思考が、平易な言葉でこちらの胸と頭にすっと入ってきたんですよね。関連の講演もいろいろと聞き、関連の書籍もずいぶん読んできましたが、今日は新たな視点を明解に提示されたとの思いを強く持っています。◆右膝の関節炎で突然歩行困難になったが、整形外科で応急手当でかなり回復。運動不足と久々のWiiFitで毎夜燃えてます。

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